Koken op petroleum / Cooking on a petroleum stove / Nationaal Archief
冷え対策の中でも少し別項目で考えたいのが家事中の冷えです。何より「動く」ことが大前提となるため、動作を妨げない保温対策が必要となります。
家事中もけっこう感じる冷え
家事をするときにも、冷えはけっこう負担となります。
特に冬場のキッチンは足もとから冷えることが多く、暖房をつけていても上半身ばかり温まって下半身は冷えたままということもあります。また、夏場はスーパーなどのショーケースの冷気が負担になったりすることがあるようです。
家事をしている最中にネックとなるのは、やはり動作を妨げない保温対策を図ること。冷えを感じる部分をピンポイントで保温することになります。
でも、思い切って環境そのものを改善するのも一案。
温かい空気は上にたまり、冷たい空気は下にたまる性質があるので、空気の循環が悪い部屋で暖房を使うと足もとがヒンヤリしてしまいます。サーキュレーターや扇風機のようなものを利用して、空気を循環させる工夫をすると冷えの感じ方も随分違うんですよ。
天井に向けて風の流れを作ることで空気の循環がよくなり、暖房の効率をアップさせることもできます。
動作を妨げない冷え対策考
「動作を妨げないもの」と言っても、いったいどんなものがあるのでしょう? ファッション雑誌を見ても、そんなことは書かれてないし…。
でもね、ちょっと待ってください。意外と他の分野の装いが参考になることがあるんですよ。
ということで、寒さ対策がしっかりしていると思われる2つの分野に注目してまとめてみました。
例1)バイクに乗る人のファッション
230 – Motorcycle Class / eyeliam
バイクで走っていると風を受けることでどうしても体温が奪われてしまうのに、冬は低い外気温にさらされ、雨が降ってくると体が濡れるので、夏でも体温が奪われてしまう過酷な環境にあります。
そうした冷え対策に配慮しつつも、安全運転のために「ハンドル操作を妨げてはいけない」という絶対条件があります。
下着には保温性・吸湿性の高いものを着用し、インナーは保温性の高いフリース素材のものを使用することが多いようです。素材の機能性に着目することで、着ぶくれして体の動きを妨げることを防ぐことができます。
上着となるジャケットは首まわりや袖口から風の侵入を防ぐデザインが選ばれます。袖口をゴムで絞っていたり、首もとはチャックで調節できたりするようです。
下半身の保温には、体温が奪われにくい専用のオーバーパンツやアンダーパンツがあります。
例2)登山する人のファッション
富士山登山2010 (Mt. Fuji Climb) / imgdive
登山は天候が急変することもあって、使用される衣料品には防寒、防風、防水、保温、透湿とさまざまな機能を備えたものがあります。
下着やインナーはバイクに乗る人と同様ですが、登山特有といえる特長もあります。
気候の変化に合わせて保温を調節する必要があるため、着脱が簡単にできるように工夫されているものが多く、なにより全身の運動を妨げないように軽量に作られています。
動きの激しい肘や膝は、縫製そのものが屈伸を妨げない作りになっているんですよ。
体温を下げてしまう風や雨を防ぐため、首などの開口部分は二重フラップが施され、重ね着ができるようにゆったりしたサイズになったものが多くあります。